フラジャイル博覧会

Book meets Book

ブック・ミーツ・ブック

本のなかには、ミステリーや紀行文学や料理エッセイとおなじように、本のことばかり出てくる「本の本」という隠れたジャンルがある。本の本には、ブックセレクトや読書論など、本を生業にしている人が手放せない「あんちょこ本」も少なくない。今回は、発行部数の少ない稀少本を中心に、FRAGILE BOOKSのコレクションから、本の本の奥深い世界の一端をご案内できればとおもう。たとえば、こんな本が登場する。ある図書館の廃棄本、美術館のボックスカタログ、ダイアン・アーバスの蔵書ライブラリー、朝鮮の冊架図、中国人美術商があつめたアーティストブック、シンプソンズに登場した本、アール・ブリュット作家たちの手製本、エド・ルシェの本、日本の発禁本、原爆死没者名簿、アルピニストの本、人間国宝の装幀コレクション、十月革命の本、イラン革命の本、エロティック蔵書票、など。かつてミヒャエル・エンデは「本の中の登場人物は、本が読まれていないとき何をしているのか」と自問して、『はてしない物語』を書いた。エンデに倣って「本の本の中の本たちは、本が読まれていないときは、何をしているのか」と問いかけながら、本展を開催します。

[会期]2023.1.1 - 2023.1.31