フラジャイル博覧会

Raum Editions

Miguel Ângelo Martins

「本をつくる思考、本をめくる仕草、本をめぐる物語、そのすべてが芸術である」ーこの言葉は、彼の出版美学を端的に示している。彼とはポルトガルのマデイラ諸島に生まれたミゲル・アンジェロ・マルティンスのことで、彗星の如く本の世界にあらわれた異才だ。スペイン中西部のサラマンカで、パートナーのラウラとふたりで小さな出版レーベル「Raum Editions(ラウムエディションズ)」を主宰している。彼らの出版物は、毎回テーマは異なるけれど、どこか絵画や色彩と結びついていて、印刷はすべてリソグラフで、製本は極力しない。とりわけ、流通至上主義の出版界にぐっと距離をおいて、本として企画された芸術プロジェクトとひたむきに向き合う姿には、共感を通り越して敬服している。今回のフラジャイル博覧会では、そんなスペインの小さな出版レーベルから届いた12点のアーティストブックやマルチプル作品をご紹介します。
[会期]2024.2.1 - 2024.2.29