芹沢銈介装幀集

Bibliographic Details

Title
Book design collection of Keisuke Serizawa / 芹沢銈介装幀集
Artist
Keisuke Serizawa / 芹沢銈介
Publisher
吾八
Year
1968
Size
Each BOX: h475 x w380 x d50 mm
Weight
4300g + 4600g
Pages
Selected 10 collections, 80 figures / 自選10集・80図
Language
Japanese / 日本語
Binding
Total of 10 sets in Two Boxes of paulownia wood / 桐箱2箱全10帙揃
Edition
Limited edition of 150 copies / 限定150部

桐箱にそっとしまっておく
そんなブックデザインの仕事が
あるんです。

日本を代表する染色家、芹沢銈介(1895-1984)の作品は幅広く、キモノや暖簾、カレンダーなど生活を彩るものから、屏風や軸などの鑑賞作品、商業デザインやインテリアデザインにいたるまで多岐にわたる。とりわけ特筆すべきは、本にまつわる仕事だろう。はじまりは柳宗悦の依頼を受けて1931年(昭和6年)に手がけた月刊誌『工藝』の表紙で、毎月500部の型染表紙を1年間にわたり制作した。20年間で120号を刊行した内27号分で芹沢の型染布が表紙を飾った。以後、亡くなるまでの54年間に、装幀から挿絵、芹沢自身の発案による私家本など、手がけた書物は850冊を超えるといわれる。

この桐箱入りの特装本は、そんな芹沢銈介が自選自装した装幀図案を80点おさめた愛蔵版になっている。実際に使用したマテリアルや技法を忠実に再現しながら、本人の手で染め上げた表紙なども収録されている。いまとなっては入手困難な柳宗悦主宰の民藝雑誌『工芸』創刊号や、靖文社の『手仕事の日本』、川端康成『雪国』創元社などを収録する完全保存版といえる。じっさいの木版摺やオリジナル型絵染、手彩色による表紙図案は、印刷物とは比べようもなく美しく、アーティスト芹沢銈介によるマルチプル作品としてみれば、美術品に匹敵する価値がある。



Text by 櫛田 理