Mask Dance|韓国の仮面劇「タルチュム」

Bibliographic Details

Title
Mask Dance
Author
Onyang Folk Museum
Images
First page of each chapter is photographed by Koo Bohnchang/各章扉の写真:クー・ボンチャン
Publisher
Onyang Folk Museum
Year
2017
Size
h190 × w125 × d19 mm
Weight
480g
Pages
272
Language
Korean/韓国語
Condition
New
ISBN
9791195312481

This is a book of Catalogue Commemorating the Museum’s 39th Anniversary.

力の弱い庶民が
支配者をいじり倒す
韓国の仮面劇「タルチュム」。

韓国の私設民藝館「温陽民俗博物館」が所蔵する仮面劇のマスクを紹介する一冊。

韓国では仮面劇のことを「タルチュム」と呼ぶ。「タル」は仮面、「チュム」は踊りのこと。このタルチュムは、三国時代から朝鮮社会でずっと弱い立場にあって、虐げられてきた庶民たちによる大衆芸能で、先祖代々にわたって苦しみにたえながら暮らしてきた民衆のパワーが、野外のマダン(広場)で笑いの渦となって逆噴射する。きわどい揶揄や風刺と笑いにあふれた仮面劇なのだ。

紙やヒョウタンで作られた仮面の多くは、左右が非対称で、目や鼻や口がアンバランスに作られている。それらは、支配層の顔をあらわしているのだという。日本の「火男 (ひょっとこ)」のような滑稽な表情を、支配階級の両班(ヤーパン)や僧侶に憑依させている。韓国の仮面劇「タルチュム」に、神は登場しない。あくまでも、人間界のよしなしごとがテーマで、およそ10の場面に分けて、だいたい10人から25人くらいが仮面をかぶって演舞し、5人から8人の楽士が軽快なリズムを奏でたり演舞者との対話を担当する。

内容は、単純で笑えるものが多い。粗筋は、支配者が口達者な平民にやり込められ、最終的に侮辱される、というもの。観衆たちは、これにげらげらと腹を抱えてこれに笑い転げる。身分制度や社会の善悪、男女の関係など、こうあるべきと決めてきた儒教思想や階級制度を徹底的にいじり倒すのだ。



本書は、「トゲウォンサンデノリ(Toegyewon sandae nori)」、「楊州ビョルサンデノリ(Yangju byeolsan daenori)」、「鳳山タルチュム(Bongsan talchum)」、「水営ヤリュ(Suyeong yaryu)」、「高城オグァンデ(Goseong Ogwangdae)」など韓国の12の地域から仮面舞踊(タルチュム)で実際に使用された「マスク」を紹介する。多くのビジュアル図版とともに、韓国仮面劇の歴史や特徴を解説するエッセイも収録。同館の開館39周年の記念カタログして刊行された。

もうひとつ特筆すべきことは、韓国を代表する写真家の具本昌 (Koo Bohnchang) が各章扉のモノクロ写真を撮影しているということ。仮面をつけた人たちから、どこか人間らしいあたたかみを感じるのは、レンズを向けたKooさんのやさしい視線からかもしれない。

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This book introduced masks from the collection of Onyang Folk Museum, including masks from twelve different regions of Korea. These masks were used for mask dramas like Toegyewon sandae nori, Yangju byeolsan daenori, Bongsan talchum, Suyeong yaryu, and Goseong Ogwangdae. The book also includes essays on the history and characteristics of Korean mask dramas.



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