フラジャイル博覧会

Thoughts About Pots

Erica Spitzer Rasmussen

今年の春、「希望のたね」の作者エリカ・スピッツァー・ラスムッセンから「いま、あたらしい紙の立体書物をつくっている」としらせがあった。聞けば、それは陶工だった義父へのオマージュで、茶碗や花器や丸壺など、いろいろな陶器のかたちをしているのだという。ほどなくして、アメリカから届いた二重箱をあけると、異なる12種類の新作が包まれていた。いずれも、ことばを刻印した手漉き和紙がリング製本されていて、一枚ずつページをめくると本になり、立てれば「うつわ」になる。じっと眺めていると、なんだか濱田庄司の茶碗や李朝の白磁やリーチの花瓶にもみえてくる。エリカの義父とは、柳宗悦につらなる民藝の精神をもったアメリカ人で、北米ミネソタの土地に根を下ろし、日用雑記としての陶芸をひろめた世界的陶芸家、ウォーレン・マッケンジーのことだった。
[会期]2023.12.1 - 2023.12.31