夏の手紙 / 北園克衛
Bibliographic Details
- Title
- Summer Letters / 夏の手紙
- Author
- Katsue Kitazono / 北園克衛
- Images
- Koshiro Onchi / 恩地孝四郎
- Publisher
- アオイ書房
- Year
- 1937
- Size
- h300 × w220 × d7mm
- Weight
- 310g
- Pages
- 44
- Language
- Japanese / 日本語
- Printing
- Wakataro Murai Printing / 村井若太郎印刷
- Edition
- 77 / 200
言葉の設計
余白の美学
北園からの手紙
北園克衛による14編の詩が収まる一冊。限定200部のシリアル番号入り。印刷は村井若太郎。発行元は、志茂太郎が立ち上げたアオイ書房。
装幀は、版画家でもあった恩地孝四郎。恩地は挿絵や構成はもちろん、表紙のデザインだけでも十数種類のダミーを作ったといわれている。この本は、今もなおあたらしい印象を与えてくれる。めくるめく紙面から生まれる余白の旋律に、ため息がこぼれる。
ヴィジュアルポエトリー、コンクリートポエトリーについてここで多く語らないが、北園克衛主宰の同人誌「VOU」でも詩作を発表していた詩人で美術評論家の清水俊彦は、こんなことを語っている。
現代文化の基盤の上ではっきりと分類できる二つの傾向の領域内で、非常によく似た結果に出会ったという事実がまだ残っている。しかもこの出来事の並はずれた面白さは、それが現代の、それも僅か数年の問に起ったということだ。とにかく、芸術として現われている《同一》のオブジェは、素材も同じだし、手近なところにある何の変哲もないようなものであり、白い紙の上のひとつづきの黒い記号のように見える。それが手近なものであることをやめて、意図された通りの芸術作品として姿を現わしているのだ。(全文はコチラ)
北園は、生涯詩人として生きた。また、一篇の詩を成立させるために、無くなてならないデザインや写真や編集など、あらゆる諸芸術を結びつけることに突出した才能を発揮した。詩も本もあらゆる芸術も、常に時代とともにあたらしく、そのときどきの輝きを持って生まれてくるものと信じて止まない。これからの詩人による新しい詩集が待ち遠しいばかりである。