Édouard Vuillard | エドゥアール・ヴュイヤール

Bibliographic Details

Title
Édouard Vuillard / エドゥアール・ヴュイヤール
Artist
Rivotorto Pieces / リヴォトルト・ピーシーズ
Year
2023
Size
h190 × w210 mm
Materials
Crinkled washi paper reddish brown(Nepal), Cedar bark paper, Light yellow Lokta paper dark green (Nepal) , Handmade washi paper with dust (Edo Period) , Lokta Katekyu brown (Nepal) , Pigment / もみ紙ソフト 赤茶(ネパール) 、杉皮紙 薄黄、 ロクタ紙 ダークグリーン(ネパール)、 チリ入り手漉き和紙(江戸) 、ロクタ草木(カテキュ)茶(ネパール) 、顔料
Edition
Unique
Condition
New

Includes booklet explaining the work, paper magnetic frame, and carton for safe keeping / 作品解説冊子、紙製のマグネット式フレーム、保管用カルトン付き

観察者の勝手な分別を
ことさら嫌った
ヴュイヤールに捧ぐ、
5種類の紙のタペストリー。

ヴュイヤール (Édouard Vuillard / 1868-1940) は控えめで寡黙な人だった、とよく言われる。「まちがっているかもしれないと考えて、決めつけるような言葉を口にすることはなかった」と同じナビ派 (Les Nabis) のヤン・フェルカーデ (Jan Verkade / 1868-1946) が回想していた。私はそんなふうに語られてきたヴュイヤールの性格が好きで、絵に宿っている画家の視点を借りて、人物や室内を観察することを楽しんできた。

画家の母親やそのアトリエで働く針子、友人や身近な人々…… その周囲を埋める壁面装飾や調度品、机や椅子、絨毯、花瓶やコーヒーカップ…… いずれも形は不確かだけど、色彩に溢れた画面の隅々にまで均一に描かれた絵画は、一枚の織り込まれたタペストリーのようにモチーフが緊密に構成されている。

晩年に描いた写実的な肖像画の数々も、人物と同じかそれ以上に室内に置かれた全てのものを描き尽くしている。それぞれ描写のスタイルは違っても、その根っこにはヴュイヤール自身の控えめな性格が反映されている。物事を勝手に分別しない視点で捉えたのだと私は思う。

「……私はただの傍観者以外の何者でもない。」そう語るヴュイヤールの表現は、抽象絵画を予見するものだった。

画家以上に作品は語りかけてくれる。ヴュイヤールの絵画を観察し、その色彩のすごさを拝借して紙を編んだ。しかしこうして語られることをヴュイヤールはひどく嫌がるだろう。1938年に

パリで開催された回顧展のときも「恐ろしいことだ、秘密が全部もらされるなんて!」と叫んだような人だから。なので、ヴュイヤールの話はここでおしまい。



Text by Rivotorto Pieces


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<参考文献>

◇ ギィ・コジュヴァル 『ヴュイヤール:ゆらめく装飾画』(創元社)
◇ イザベル・カーン『オルセーのナビ派展:美の預言者たち』図録(読売新聞社)
◇ 村木 明『ヴュイヤール展』図録(読売新聞社)


【注意点】
・保管の際は高温多湿、直射日光を避けてください。
・天然素材を使用しておりますので、置かれた環境により風合いや質感が変わることがございます。経年変化としておたのしみください。

【商品について】
・作家による手づくりの作品解説の冊子が付きます。
・作品を挟んで保管できる紙製カルトンにお入れしてお届けします。
・作家による手づくりの紙製マグネット式フレームをセットでお届けします。
・作家と選んだおすすめの額装もご用意がございます。
 ご希望のお客様は、info@fragile-books.com までご連絡ください。別途ご案内させていただきます。

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フラジャイル博覧会

Passage of Paper Textile
紙々の断章
2023.4.1 - 2023.4.30
展示アーカイブを見る

Rivotorto Pieces(リヴォトルト・ピーシーズ)による初めての個展「Passage of Paper Textile / 紙々の断章」を開催します。作家のふたりが幼少より恋い慕ってきた先人たちの名を冠した「紙のテキスタイル」による作品群です。聖人や絵本作家や建築家など、古今東西からこんな人たちが登場します。アッシジの聖フランチェスコ、須賀敦子、レオ・レオニと小島悳次郎、シャルトルのベルナルドゥス、ティントレット、ダンテ、ジョット、白井晟一、俵屋宗達、ウィリアム・モリス、エドゥアール・ヴュイヤール、ピエール・ボナール、ムンタネー、ミケランジェロ、ヘルメス、ディオティマ、バーバラ・サンソニ、エルジェ、吉野弘、ルソー、フリードリヒ2世、シモーヌ・ヴェイユ、アルド・マヌーツィオ、ピカソ、マスダジル洞窟にいた人。作品ごとに付いてくるそれぞれの人との出会いを綴ったメッセージもなかなか。

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