韓国の「手しごと道具」だけを
100点あつめた展覧会図録。

韓国の私設民藝館である温陽民俗博物館。その開館38周年を記念して開催された「手しごと」展のための図録。

この本がおもしろいのは、美しい伝統工芸品を収録するのではなく、その代わり、「工芸品を作るための道具」だけを紹介しているところ。集められた100点の道具たちは、木、蝋燭、牛の角、石、陶磁器、金属、刺繍、紙、植物の茎など素材別に、あらゆるかたちが登場する。やはり、美しい仕事は、美しい道具から生まれるというもの。職人たちの仕事道具には、そこから生み出す工芸品にも劣らない美しさがあります。

ソウルから電車で一時間ほどの距離にある「温陽（オニャン）民俗博物館」は、韓国初のフォークアートミュージアム（民俗博物館）で、児童文学などの出版社を興したキム・ウォンデの私設ミュージアムとして1978年に開館した。敷地面積は72,727平方メートルで、在日韓国人の建築家・伊丹潤が手がけた韓国国内で最初の建築物である亀亭（クジョン）アートホールをはじめ3つの常設展示室、特別展示室、野外展示場などがあり、民具など生活用品約2万点が所蔵されている。

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This book presents implements used for making traditional crafts. The tools are organized according to the materials involved, including wood, mother-of-pearl, ox horn, stone, ceramics, metal, embroidery, paper, and plant stalks.