夜|ウィリアム・ブレイク

Bibliographic Details

Title
Night. Songs of Innocence / 夜 無心の歌
Artist
コイズミアヤ / Aya Coizumi
Year
2022
Size
h28 × w235 × d 235mm
Weight
30g
Materials
Paperback (William Blake "Songs of Innocence and of Experience" translated by Bunsho Jugaku, Kadokawa Bunko) page, glue / 文庫本ウィリアム・ブレイク詩集『無心の歌、有心の歌』 寿岳文章訳 角川文庫)のページ、糊
Edition
Unique
Condition
New / 新品

Series of the amount and the location of the stories / 物語の量と在処シリーズ

本は手の中にあるけれど
物語の在処は
本とは別の地平にある 

角川文庫『無心の歌、有心の歌 ー ウィリアム・ブレイク詩集』(訳 寿岳文章)に収録されている短編「夜」のページを切り刻み、一文字も落とさず、糊で貼り合わせた作品。

素材に使用したのは、1999年刊行の『無心の歌、有心の歌』。初版は、イギリスで1794年に刊行された『無垢と経験の歌』(原題:Songs of Innocence and of Experience)です。『無垢と経験の歌』は「二つの対立する人間の魂の状態を示す(Shewing the Two Contrary Sates of the Human Soul)」という副題を持ち、銅版画職人として活躍していたウィリアム・ブレイクは、各詩にすべて手書きで彩色されたイラストレーションを施している。

無心の歌に収められている「夜」は、こんな話だ。闇が降りてくると、羊や鳥などのか弱きものたちはそれぞれの巣で平和に眠りに就き、オオカミやトラやライオンなどの獣たちは天使によって渇きを癒やされ、弱きものを襲うことはない。ブレイクの幻想的な世界観を表現している小品である。

これまで、さまざまな書籍(物語)の文字を切り貼りし、その量と在処を追い求めてきたコイズミアヤが、今回はじめて「図像」に挑み、彩色されたカラーイラストは作品に新たな旋律を与えている。

物語が解体され、文字となったひとつひとつのピースをできる限り意味を生み出さないように貼り合わせていく過程で、この作品は、作品の文字と図が混ざりながら織り込まれています。



Text by 乙部恵磨

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