みなそこ

Bibliographic Details

Title
みなそこ
Author
ワイエダ兄弟
Translator
櫛田理
Editor
乙部恵磨
Designer
佐伯亮介
Images
ワイエダ兄弟
Publisher
株式会社良品計画 MUJIBOOKS
Year
2021
Size
h232 × w415 × 7mm
Weight
0.37kg
Pages
24
Language
日本語
Binding
和綴じ、ソフトカバー
Printing
シルクスクリーン印刷、表紙マーブル染め
Materials
リサイクルコットンペーパー
Edition
初版限定5000部、エディションナンバー付
Condition
new
ISBN
9784909098313

Original book: The Deep (2020) by TARA BOOKS / Printing Director: C. Arumugam / Screen Printed by T.S. Manikandan, A. Arivazhagan, K. Prabhu, A. Neelagandan, M. Rajesh, R. Shanmugam, A Ramesh, S. Mariyappan, S. Boopalan, S. Chinraj. At AMM Screens, Chennai, India. / Bound by M. Veerasamy, M. Vinodha, M. Bhavani, V. Usha and P. Amsaveni. At AMM Screens, Chennai, India.

インドのタラブックスが
はじめて日本を題材にした
ハンドメイド絵本の日本語版。

紙漉きからシルクスクリーン印刷、糊を一切使わない手製本。本をつくるすべてのプロセスが、インドの小さな工房にいる職人たちの手しごとです。水面を彷彿とさせる表紙のマーブル柄も、一冊としておなじ模様はありません。原書は2020年にタラブックスが刊行した「The Deep」ですが、テキストのみを日本語に置き換えるこれまでの翻訳版とは異なり、製本からデザインまで原書と異なるいくつかの変化をお楽しみいただける仕様になっています。

日本語版のタイトルは、万葉時代の古語から『みなそこ(水底)』と名づけました。物語の翻訳では原書の意図を汲みながら、原書には書かれていなかった細部や背景をワイエダ兄弟に直接取材し、大幅な意訳を試みています。装丁デザインは、原書のページ構成と大きく異なり、絵と物語を別々のページに配置することで、伝統的なワルリアートの在り方に立ちかえりました。浅瀬から深海へ向かう体験を、読書を通じて身体的に感じてもらうための工夫として、段々と海の底へ降りていくような、タテ読みの仕立てとなっています。原書とはサイズも用紙も製本方法も異なる、まったく新しい佇まいになりました。

西インドの小さな村で育った二人の兄弟が紡ぐ自伝的絵物語は、タラブックス初の日本をテーマにした絵本です。ワイエダ兄弟が、故郷のガンジャード村から出発し、高層ビルがそびえ立つ大都市ムンバイでの大学生活を経て、海の彼方の日本は粟島へ旅したことをきっかけに、この絵本が生まれました。本書の最大の特徴である画面いっぱいに広がる繊細なワルリアートは、自給自足の生活を送るワルリ族の既婚女性たちが家々の壁や床に描いてきた伝統的な壁画芸術に由来します。本来は日々のくらしや信仰と表裏一体の民間芸術ですが、ワイエダ兄弟はその伝統を守りながらも、自らの実体験や現代的な要素を融合することに挑み続けています。インドのガンジャード村の川の生きものと、日本の粟島の海の生きもの、更には目に見えないほど小さなプランクトンや、空想上の生きものが渾然一体と描かれた最後のページでは、宇宙の神秘を感じさせられます。

日本語版の巻末にだけ、特別に、ワイエダ兄弟によるガンジャード村の絵を書き加えています。動物も植物も人間も分け隔てなくいきいきと描かれた、ワルリ族のくらしのパノラマ。そこには、わたしたちが失ってしまったかもしれない、自然と生きる健やかな日々が静かに讃えられています。

『みなそこ』の表紙は、ひとつとして同じものはありません。それは、人間の様でもあり、一時も同じ姿を留めることのない水の姿でもあります。一冊ずつ表紙の柄が異なり、シリアルナンバーの入った本書は、手工芸品のように美しく、大切な人への贈りものとしても喜ばれる一冊です。

>TARA BOOKSのオフィシャルサイトはコチラ
>ワイエダ兄弟のオフィシャルサイトはコチラ


刊行までのさざ波荒波:
『みなそこ』は、FRAGILE BOOKSチームと発行元である株式会社良品計画のMUJIBOOKS、そしてTARABOOKSで一緒につくった絵本です。2019年の師走にプロジェクトを立ち上げ、パンデミックの只中に、幾度もの修正や変更を重ね、実に2年間のときをかけ、2021年12月のクリスマス、5000冊の『みなそこ』が海を渡って日本に届けられました。インドのロックダウン、日本の緊急事態宣言、チェンナイの天候不良で手漉き紙が乾かない事件、船積み時にフォークリフトのフォークが輸送箱を貫通するなど、荒波に揉まれたプロジェクトでしたが、その分完成したときの感動もひとしおでした。

Text by 乙部恵磨

The Deep ~ Reflections on Warli Art from Tara Books on Vimeo.

 

みなそこに使われた紙はすべて手漉きのリサイクルコットンペーパー。

手漉き紙はすべて自然乾燥。

ガンジャード村では、いまも自給自足の生活が営まれています。

最初のページに出てくるワイエダ兄弟が小さな頃から慣れ親しんだ川。
通常価格 ¥3,850 JPY
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