へんたい学入門
Bibliographic Details
- Title
- Hentaigaku nyumon / へんたい学入門
- Author
- Masami Akiyama / 秋山正美
- Images
- Katsuhiko Okazaki / 岡崎克彦
- Publisher
- Daini Shobo / 第二書房
- Year
- 1970
- Size
- h185 × w148mm
- Weight
- 290g
- Pages
- 240 pages
- Language
- Japanese / 日本語
- Binding
- Softcover / ソフトカバー
- Condition
- good
へんたいって何なのか?
LGBTQを性のリアルとして
読み直してみる。
「ほどよくいじめれば実効もある?」から「へんたい度テスト」のページまで、8ページ(65から72ページ)にわたって下部にちいさな福耳が連続している。さらにその内の見開き2ページ(68と69ページ)は福耳の箇所が結合したまま残されていて、まるで袋綴じのようになっていて覗き込まないと中を読むことができない。はたして前所有者はどうやって読んでいたのだろう。
倒錯の世界には、ホモやレズだけでなく、サドやマゾ、自分ひとりを愛するナルシシズム、写真や肖像画とセックスしたがるピグマリオニズム、愛人の下着や髪の毛によって興奮するフェティシズムまで、実にさまざまな「へんたい」が存在する。本書は、そんな「へんたい」人間たちの性と心理の広がりを探求した一冊で、レズのあとはサドへ、お次はマゾへ、という具合に読み進めるあいだに「へんたいのフルコース」を味わえるという仕立てになっている。
この本は、けっして真面目ではないが、ふざけてもいない。心理学の教科書や医者の問診では解き明かせない、人間の複雑な性や心の世界を覗き見ることが目的なので、イラストや写真を交えて、思わず引き込まれるたくさんの見出しが登場する。
現代では、「多様性」というひと言葉で片付けられがちな性の話。だからこそ「へんたい」という言葉の本当の意味をあらためて考えることもいい方法かもしれない。ご興味あれば「S度とM度を判定するテスト」から始めて、自分の“へんたい度”をチェックしてみてはどうだろうか。
«目次»
現代的な脱線人種
中性人柱と不満人
苦痛を愛好する人種
怪奇趣味にふける人種
レズビアンを自称する人種
レズたちとの対話
レズビアニズムの文学
少年愛に生きる人種
カウンセリングのページ
七〇年代の性
著者:秋山正美(1929年 - 2001年)
文筆家で、昭和少年少女文学館代表。1961年頃から旺文社や学習研究社の雑誌に連載を執筆し、文筆家として活動を開始。1965年には私小説『求婚戦争』が日本テレビでドラマ化されるなど、注目を集めた。恋愛指南や女性のオナニーなどをテーマに執筆し、1970年頃に昭和少年少女文学館を設立。古書のコレクターとしても知られ、1994年には「毎日中学生新聞」に昭和史を紹介する連載「タイムカプセル昭和の旅」を執筆した。
出版社:第一書房(1923年創業 - 1944年廃業)
長谷川巳之吉が創業した出版社で、戦前の大正末から昭和期にかけて活動。フェティッシュにこだわり、豪華本や絢爛な造本を手掛け、「第一書房文化」と称賛された。第二書房は、元第一書房の社員であった伊藤禱一が創業した出版社で、かつては歌集や詩集、ドキュメンタリーなどの単行本を出版していたが、商業誌としては日本初ゲイ向け雑誌『薔薇族』の発行で広く知られるようになった。