火之大神吉凶御傳

Bibliographic Details

Title
火之大神吉凶御傳
Artist
Anonymous / 作者不明
Year
Meiji era / 明治時代
Size
φ 40 × h160 × w1350mm
Weight
62g
Materials
Washi Paper, Wood
Condition
汚れあり

蝋燭の火と
けむりの行方で吉凶を占う
秘伝の巻物。

年始の初詣にはいつも近くの氷川神社を参詣し、ついでにおみくじを引くことにしている。氷川神社のおみくじには「吉」と「凶」の他に「平」なるものがある。それは、良いことも悪いことも半々に書かれているのかと思いきや、良いことは1つ2つだけ。そんな「平」をぼくは3年続けて引いている。なんとも言えないご縁があるようです。

この『火之大神吉凶御傳』は、蝋燭の火とその煙のゆくえで吉凶を占うという肉筆絵巻物。図解とその解説を写本した秘伝の書。描かれている11種類のうち、吉はたった1つだけ。作者がだれで、いったい何を占うのかなど、詳しいことは書かれていませんが、おみくじとは違って、しっかりと準備をした上で行われた占いであったであろうと思います。

なんといっても、絵がかわいいのですが、結果は意外とシビアです。そう易々と吉は出ないようになっている。この巻物はいまなお、人生そんなに容易くいかない事を教えてくれているのかもしれません。吉で満足していたら終わりなのです。



Text by 都築重則