Braille book / 点字本

Bibliographic Details

Title
Braille book / 点字本
Size
h257 × w183 × d35mm
Weight
480g
Pages
178 p
Language
Braille / 点字

 

すっぴんとはこのことだ、人間で言えば、シミもそばかすもおしろいで隠すことなく、あるがまま。今日までこの本が経てきたその時間を感じずにはいられない。表装の経年劣化によって日焼けやシミは見受けられるものの、ヤブレや折れ、歪みなどはまったくない。大切に保管されてきた証拠である。

頁を捲るまで、何の本かわからなかった。FRAGILE BOOKSとしては、ただその姿がうつくしいだけで十分だったから。表紙を捲ると、この本独特の軽さと厚みの意味を知ることとなる。この本は点字で書かれた本だった。丁寧に一枚ずつ手貼りされたように見える。普通直線と直角で形成される書物の中身が、無数の点で凸凹して、頁全体がいびつな波を打っている、それなのに、表紙を綴じると、なんともうつくしい静けさを醸し出すのだから、不思議でたまらない。

1頁目は、点の連続で枠線が引かれており、その中に書名なのか...それとなくレイアウトで感じることだけはできる。印刷と違うのは、点字のサイズが統一されていることくらいなのだろう。頁を捲っていくと、ノンブルは天の小口側に打たれているようだ。点字が読めないので、どんな内容の本かわからない。関連サイトでいくつかの国の点字表を参照し、読んでみようと試みたものの、途中で6点式の境界線を見失ってしまい、書名さえ読めなかった、まさに手探り状態だ。恥ずかしながら、内容についてはあらためて機会を設けて読解しようと思う。

現在世界中で主流とされる6点式の点字は、1825年全盲のフランス人、ルイ・ブライユ(1809-1852)によって考案されたもの。書物全体の歴史の中で、点字書籍の登場はずいぶんと最近の出来事である。

点字が考案される前にも、視覚障害者のための文字は存在した。文字のかたちを、木や紙で盛り上げた浮き出し文字や、紐の結び目で文字を表す結び文字なども試されてきたが、それらは、不安定で複雑化しやすく習得することが大変困難なものだった。転機は、19世紀初頭、フランスのもと砲兵大尉シャルル・バルビエ(1767-1841)が、パリの盲学校に軍隊用の通信暗号や速記符号として考案した12点式点字を持ち込んだこと。点の位置と数だけで文字を表わせる、点を打つだけで自分で書くこともできるというので、一気に生徒たちが夢中になったという。その中にルイ・ブライユがいたのだ。ルイ・ブライユは、学校の授業の合間をつかってクラスメートと議論しながら実験と研究をかさね、1825年に6つの点から構成される点字方式を考案する。4年後の1829年には、この点字方式の解説書が出版された。この時、ルイ・ブライユは20歳という若さだった。

現在,6点式の点字は世界中の国々で使われており,利用国数はUNESCOが確認しているだけでも100カ国程度に上る。 ルイ・ブライユが考案したフランスのアルファベットに対応して作られた点字を,各国の言語の特性に応じて翻案し、それぞれの言語に適応している。

近年では、あらたな試みも始まっている。Braille Neueは、点字と文字が一体になったユニバーサルな書体をデザインするプロジェクトで、見える人と見えない人が同じツールを利用し、同じ情報を共有するというもの。これはとても画期的な発明だ、画期的であるとともに、こんなふうにお互いに寄り添うコミュニケーションは、きっと何千年も前から変わらぬ景色であるように思う。見えると見えない、ただそれだけしか違わないのである。手と手を取り合って、うつくしい物語に読み耽る権利はすべての人にあって然り。

Louis Braille, known for developing Braille. He lost sight in both eyes at the age of five and was attending a school for the blind when he came across a 12-point cipher called sonography, invented by French soldier Charles Barbier, which led him to invent Braille. Sonography was originally conceived as a way to communicate battle orders in the dark, and based on this cipher, he devised a six-dot Braille code that could be read more easily. In many countries, the word for Braille is called "Braille," after Braille's name, and his legacy is remembered by the visually impaired around the world, as his birthday, January 4, was designated World Braille Day in 2000 by the World Blind Union.


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