ぼくの始末書/山口信博

Bibliographic Details

Title
Boku no shimatsusho / ぼくの始末書
Author
Nobuhiro Yamaguchi / 山口信博
Editor
Osamu Kushida / 櫛田理
Designer
Nobuhiro Yamaguchi / 山口信博
Publisher
BON BOOK (TOPPANクロレ)
Year
2024
Size
h210 x w150mm
Weight
300g
Pages
112 pages
Language
Japanese / 日本語
Edition
2500 copies / 限定2500部
Condition
New
ISBN
978-4-910462-24-0

山口信博の余技とデザイン。

グラフィックデザイナーの余技として、
アマチュア・プリンターであり
俳句もたしなんできた。
趣味に生きることが、社会に対しての
やわらかな反逆だと思ってきた節がある。

本書「あとがき」より

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山口信博さんの『ぼくの始末書』が刊行されました。
この本の核心は、上に抜粋した「あとがき」に存分に滲み出ていますが、企画編集として伴走させていただいた者として、ごくごく簡単にご紹介をさせてください。

どんな人にも趣味のひとつやふたつはあって、とりわけデザイナーや美術家のなかには、ピカソや魯山人のように趣味が高じて何をやってもその人のものにしてしまう傑物が稀にいますが、表現系として噴出するばかりでなく、趣味がその人の養分となって、仕事と人生に深く根をおろすこともあるのです。

例えば、伊丹十三の「手料理」や秋岡芳夫の「竹とんぼ」はそういう根っこになる趣味で、本業とは関係のない余分な「よしなしごと」に見えるかもしれませんが、その余技こそがその人の本業を裏支えしている、ということがあるのです。

デザイナーの山口信博さんは、表裏にまたがる複線人生をやわらかく生きてきました。活版印刷のアマチュアプリンターであり俳人で、折形研究者であり古物蒐集家で、神職でもあるという。本書は、そんな山口さんが長いあいだ続けてきた趣味を統合して、表裏の「始末」をつけようという一冊になっています。

巻頭の「不始末の顛末」と巻末の「やわらかな反逆」には、始末を巡る山口さんの思いが綴られています。どうぞお手にとってご覧ください。

発行元は、フィリップ・ワイズベッカーの『ホモ・ファーベル』や高野文子の『うたのほん』を出版してきたBONBOOK。老舗印刷会社とはじめた少部数出版シリーズの17冊目になります。昨年山口さんには『おじいちゃんの封筒』『裸形のデザイン』そしてクーポンチャンの『くらしの宝石』の装丁を手がけていただきました。

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山口信博 Nobuhiro Yamaguchi

グラフィックデザイナー/ 1948年生まれ。
桑沢デザイン研究所中退。コスモPRを経て1979年独立。2001年有限会社山口デザイン事務所、同時に折形デザイン研究所設立。主な仕事に住まいの図書館出版局『住まい学大系』全100冊のブックデザイン、鹿島出版会『SD』のアート・ディレクターなど。著書に『白の消息』(ラトルズ、2006)、『つつみのことわり』(私家版、2013)、句集『かなかなの七七四十九日かな』(私家版、2017)など。2018年「折りのデザイン」で毎日デザイン賞受賞。


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