0.9-201 mm
Bibliographic Details
- Title
- 0.9-201 mm
- Artist
- MIGUEL ÂNGELO MARTINS
- Publisher
- Raum Editions
- Year
- 2015
- Size
- 201 x 192mm
- Weight
- 450g
- Pages
- 340p
- Language
- Spanish & English / スペイン語、英語
- Binding
- Paperback / ソフトカバー
- Printing
- Risografía (black)
- Materials
- Paper: Munken Print Cream 15 (70g) & (115g), Munken Print Cream 20 (90g)
- Edition
- 300
- Condition
- New
- ISBN
- 978-84-608-2205-9
Raum Editions #05 / Types: Myriad Pro 7, 8, 14 pt / Thanks: Leticia Becerro & Leticia Pérez Alonso
84本の「ペイントブラシ」
緊張感のある表紙に、謎の小口絵。頁を開く前から、テーマや内容を聞く前にオブジェとして、名作確定である。「これこそ現代に生まれるべくしてあらわれた本のかたち」、くらい言いたいほど美しい。
先にタネ明かしをすると、この本に収められた84本の線は、84本の筆幅の太さそのままに描かれている。1枚の紙に1本の筆が走った模様のみで構成されているのだ。昇順に並べられた線は、まるで見本帳のように筆の物理的特性を抽出しようとしているように見える。紙は、筆に使われていた毛の色に似たクリーム色の紙を選んでいる。
絵描きだった作者のミゲルは、自分のアトリエの棚卸しをプロジェクトにすると決めた。この本に姿を変えた画材は「筆」。棚卸ししてみたら、画家だったミゲルのアトリエには84本も筆があって、しかもそれらすべての太さが微妙に異なっていた。その幅というのが、0.9〜201mm。アーカイビングとカタログの在り方、そのひとつの結論としての「物理的記録」がここに誕生した。
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